生と死

「生と死に直接関われる仕事がしたい」ということで産婦人科医になったという例の先生、この「死」がどう意図で言ったものなのかはわからないけど、そういえば産婦人科はきっと中絶手術を取り扱うこともあるはずだと思って、なんだか気になって調べてみた。(調べる動機が…アレだけど;)
手術の種類がいくつかあることとか、手術で入院の際、通常は産婦人科病棟ではなくて婦人科病棟または他の病棟になることが多いこととか。病棟違うとかは、そりゃそうだよなと思ったり。お互い顔を合わせたくないもの。
私が出産で入院してた時に見えてたのは病院での「生」の側の仕事だけで、それはそれで修羅場なんだけど、そうじゃないほうの仕事もあの場所で存在していて、それはきっとキツイ仕事なんだろうなと思った。私が会った病棟の看護師さん助産婦さんたちは、だいたいそこの病棟専属の人たちっぽかったから、もしかしたら普段あまりそういう仕事には関わりはないのかな。でも医師はどちらのパターンにも当然関わるから、あの超人柄の良い先生も中絶の手術をすることもあるんだろうな、と思うとなんだかやるせない気持ちになった。
こんなことを調べてながら、悲しいエピソードをいくつか読んでとても辛い気持ちになった。中絶することをちっとも深く考えてない女の人と、心を痛めながらその手術に携わる医療関係者の話とかは特に…。生まれる前から母に必要とされずに捨てられてしまう命があること、その件数があまりにも多いということ。これが現実なんだなぁ。
かくいう私も今まで全然実感はなかった。けれど、子どもが生まれた今はそれが実感と共に理解できる。胎児はまだ生まれてなくてもすでにひとつの命で、そのままうまく成長して、無事に生まれたら、こんな風に立派に人になるんだよなぁって。
私なんて考えてみたら今まで危ない橋をいっぱい渡ってきたけど、いまの旦那に出会えて結婚をして、無計画ながらも子どもを授かることができて、中絶だなんだと考える必要もなく周囲に祝福されながら新しい命を迎えることができた。しかも2回も。こんなのは最高にラッキーなことで、私ってなんて幸せ者なんだろう、と思った。時に憎たらしく思える娘ちゃんも、太ったお地蔵さんのような息子くんも、いつもより愛おしく思えた。生まれてきてくれた命を大切に育てたい、そしてこの子たちには命の大切さをしっかり教えてあげたいと思った。
…って思っただけで、ちょっと難易度が高すぎて何をどうしたらいいか今のところさっぱりなんだけど…(~_~;)私もこれから学んでいこう。